良い棋書(囲碁の本)の条件と言えば、少なくともこのブログを訪れて下さる皆さんに
とっては「上達に繋がる」というのが第一であろう。
となるとそれは、読む人の棋力、棋風、弱点、長所等々と棋書との相性次第である。
しかし、以下のような点は棋書に必要だろうと個人的に考えていて、
ある意味良い棋書の条件になっているのではないかと思う。
1. その本の明確なメッセージが伝わってくること
著者である棋士もしくはライターが読者に伝えようとしていることが、
わかりやすく強烈に理解できることが必要だ。
例えば単なる自分の名局、名手自慢になっているようでは得るモノが少ない。
2. 解説が一方に肩入れせず客観的なこと
各局面図で「こうやって打てば黒が良くなる」と解説する際には
「白のこの手が問題で黒が良くなったので、こう打つべきだった」
という解説もつけるべきである。
例えば「白の打ち方」というような本で、白番の肩ばかり持って
解説が進むのは問題である。一方が良くなるということは、
他方に問題があったということなのだから。
3. 語彙の使い方が正確であること
おそらくライターの問題であろうが、例えば外勢を全て「厚み」と
称してしまう棋書がかなりある。
こういったライターの書いたもので、正しい理解をするのは難しいと思われる。
4. 盤面の誤植が少ないこと
解説図が進行する内に石がはがれたりズれたりしているもの、
次の手を示す「1」や「あ」などが抜けているもの
などがある。
棋力があがってくれば、誤植だと気づけることが多いのだが、
初心者の場合だと、気づかずに全く誤って理解してしまう可能性もある。
通常の書籍の誤植に比べて棋書の誤植はたちが悪い。
今後このブログで棋書のレビューや紹介をするときは、
上記の点に留意して書きたい。